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音楽家・演奏家を志すということ

更新日:2024年1月28日

先日、エリザベト音楽大学准教授の声楽家・折河宏治先生に、ラジオ番組のゲスト様としてご出演いただきました。



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たくさん素敵なお話を伺い、私自身も大変感動しましたし、やはり素晴らしい先生だなと思いました。


折河先生は、音楽の先生から「声楽家・オペラ歌手という道があるんだよ。そちらを志してみないか」という勧めがあったそうです。歌うことが好きで、勧めていただいたことが嬉しくて、その道に進みたいと思うものの、親御さんの反対があったとのことでした。それでもやはり歌うことが好きで、どうしても音楽を志したいと説得をされ、国立音楽大学・大学院と学ばれて、現在に至るのです。


私も音楽の道へ進むことは大反対されました。ご近所の方にまで。でも、泣いて説得して、親が折れてくれたという経緯があり、私の場合は音高・音大と進ませてもらいました。挫折しそうになった時、もちろんありました。でも、歌うことがやっぱり好きで結局貫いて今に至ります。


私には一般の企業で長く勤務した経歴もあります。学ぶことが本当に多く、音楽をやっていて良かったと思ったこともたくさんありましたし、音大にはない、様々な価値観の中でじっくり向き合えたことは本当に良かったと思っています。


その中で思ったことは、この道に進んだから大丈夫、ということは無い、ということです。


どの道でも、極めようと思うと、本当に大変なんですよね。根気も要るし、お金もかかるし、辛いし、終わりがないし(笑)。本当にいろんなことがあります。でもやっぱり私は歌うことが好きという思いだけで、ここまで来たように思います。


正解を求めたり、将来への約束を求めたことは一度もありません。


音楽の道に進んだらどうなるんだろう、と思う気持ちは理解できます。ただ、そこの答えを、志すことなく想像して安易に結論を出す、というのは、本当に残念なことと思います。もちろん様々な状況で、志すことを断念せざるを得なかった方もおられると思います。たくさん、そういう方に会って来ました。


我々音楽家・演奏家は、何があっても歯を食いしばり、自分の中にある「音楽が好き」という思いを支えに踏ん張っています。何が正解か、それは人それぞれであり、後になってわかるものだと思います。


諦めることは悪ではありません。それまでの時間を無駄にしなければいいと私は思っています。


続けてみないと、わからない。そう思います。続ける、貫く、これは自分と向き合うことでもあり、孤独な作業でもあります。孤独なんだけれど、志を同じくする仲間と出会うことにより、少しずつ変化が生まれます。


ひたむきに、時にがむしゃらに、不格好でもいいから、全力で取り組む。どんなに孤独でも。どんなに批判されても。貫く。ただただ歌う。


人生にそんな時期があってもいいのではないでしょうか。


ただ、音楽家・演奏家を目指したい人が年々減少しているという現実と向き合わなければという思いは常にあります。音楽家・演奏家は食べて行かれない、と言う方が多いです。そうかもしれません。でも私は音楽以外のお仕事はしておりません。決して裕福ではありませんが(笑)私は毎日楽しいです。感謝の気持ちでいっぱいです。


そんな人生もある、と思っていただければと思います。


どんな道でも極めるのは大変ですよね。そこに必要なのは、ひたむきに取り組む覚悟があるかどうかです。私は会社員をしておりました。大変でした。でも、楽しかったです。学ぶことが多かったから。音楽しか知らない私に、会社の方々は、いろんなことを教えてくださいました。組織に属する大変さも心強さも学びました。


ある時期、踏ん張って、歌の道に戻りました。大きな大きな勇気が必要でした。その時、たくさんの応援をいただきました。だから、頑張れました。


できない理由を並べるより、具体的に動いた方がいい。


そう思います。


私は、たいした人生を歩んではおりませんが、音楽を、歌を選んだことは間違いなかったと誇りに思います。


折河先生とお話しして、改めて覚悟を確認できました。素晴らしい時間を過ごせたこと、心から感謝申し上げます。ぜひ、ラジオをお楽しみに。2月20日放送、27日再放送です。近くなりましたら、ご案内いたしますね。どうぞ、よろしくお願い致します。


歌ってきて良かったです。歌うことがやはり大好きです。私が生きる意味でもある「大好き」を見つけることができて、その中で暮らせて、本当に幸せです。


「人生には歌がある。だから、楽しい。」


そうおっしゃった方がおられました。その通りです。


幸せです。とっても。



 
 
 

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